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ギター用語 マメ知識   別にどうでもいい話だが、知っていると みんなに自慢できる マメ知識

ライトニンではアーチトップの箱もの、いわゆるセミアコやフルアコを中心に扱っております。
セミアコやフルアコって何か高級で高いイメージがあるかもしれません。
しかし実際はソリッドギターと同じでピンキリ。
お手軽に入手できるものから、年代もののビンテージまで幅広い種類があります。

普通、ギターはメーカーが「ピン」か「キリ」かによって、ギターも「ピン」か「キリ」かに分かれています。
例えば「ピン」の「GibsonにMartin」と言えば、大体の相場は高いことが予想されますよね。
逆に「グレコ、アリア・プロU、フェルナンデス」と聞くと、安そうなイメージを受ける人が多いでしょう。

それでは「Epiphone社」のギターはどうでしょうか?

Q1.「エピフォンのギターをどう思いますか?」

A1.「ああ!あの韓国製の安いギターのメーカーでしょ。中途半端ですよねぇ。」
A2.「ああ!上等のメーカーですよね。あんないいギターは私なんかにゃ もったいない!」

だいたい両極端な答えが返ってくるでしょう。
そうなんです。「エピフォン」のギターは、「ピン」もあれば、「キリ」もあるメーカーなのです。
しかし、ギターは値段やブランドで「ピン」や「キリ」は区別出来ません。
グレコやアリアだって素晴らしいギターはたくさんありますし、ギブソンだって使い物にならないものもたくさんあります。

かつて多くのブルースマンたちはエピフォンのギターを愛用していました。
「大御所」と言われるようになって、みんなギブソンの高級モデルを使うようになりましたが、
彼らがまだ若手で、小さなジューク・ジョイント(今で言うライブハウス)で演っていた頃は
ずいぶんエピフォンのギターは活躍していました。
マジック・サムにオーティス・ラッシュ・・・。B.B.キングだってデビュー・アルバムには堂々とエピフォンを構える姿。
ですから、私はエピフォンのギターが大好きです。それは偉大なブルースマンの下積み時代にあるからです。

韓国製のエピフォンはダメだとか、とかく悪く言われがちですがそうは言えません。ギターは1本ずつ全て違います。
アメリカ製でもダメなものもありますし、うちの店でも韓国製のエピフォンもたくさん入荷しますが、
中にはビックリするほど素晴らしいサウンドのものもたくさんあります。
安くていい音なら、何も言うことはありません。

それではエピフォンの歴史を見てみましょう!
歴史の重みを見ると、エピフォンは安物扱いできませんよ!


 【Epiphone の歴史】

■1873年。エピフォンの始まりはニューヨーク。「スタトポウロの家」という小さな工房。
  「ハウス・オブ・スタトポウロ社」の誕生。
  その工房の主はギリシャからやって来たアナスタシオス・スタトポウロ氏。
  バイオリンや、リュートやその他のギリシャ楽器を製作していました。

  やがて息子のエパミノンバス氏と共にマンドリンを製作。

■1917年。JAZZが流行し、エパミノンバス氏は自分が音楽活動をしていた知識を活かし、テナー・バンジョーを製作。
  米国特許を取得しました。

■1928年に社名を
「Epiphone」に。
  「エピフォン・バンジョー・コーポレーション社」の誕生。
  その由来はエパミノンバス氏の当時のあだ名だった「エピ」に、ギリシャ語で音という意味の「Phone」でした。

  「レコーディング・シリーズ」というギターを製作。
  ギブソン社が「マスター・トーン・シリーズ」というギターを製作。
  対抗して「マスター・ビルド・シリーズ」というギターを製作。
  オーケストラ・ギター(今で言うピックギター)の
  デラックス/ブロードウェイ/トライアンフ/ロイヤル/ブラックストーン/ズィーニス/オリンピックの7機種。

■エピフォン社はギブソン社のライバルとして君臨し、最新のものを争って発表しました。
  30年代半ばに工場を移転。
  ギブソン社が当時最大の18インチボディの「Super400」を発表すると、
  1936年エピフォン社は負けじと18.5インチボディの「Emperor」を発表しました。

  当時、エピフォン社は新しいギターの技術をどんどん開発しました。
  本体でのトーン・コントロール、ダブルネックのギター、ネックエンドでのトラスロッド調整、
  ボリューム・ペダル、トーン・エクスプレッサー(ワウ)、などはエピフォン社が世界初で発表しました。

  この頃の下請けとして、スチールギターのためのアンプ「エレクター」を作っていたのが、
  ネイサン・ダニエル氏(ダンエレクトロ社の創設者)でした。

■1941年にギブソン社の「Les Paul」を作ったことで有名なレスポール氏が、ニューヨークのエピフォンの工場で
  ソリッドギターの試作品を作りました。

■第二次世界大戦が勃発した時に、戦争に関係のないギターの製作は停止となり、
  エピフォンの工場でも戦時物資が生産されました。

■1945年6月6日 エパミノンバス氏(エピ)が亡くなり、弟のオーフィ・スタトポウロが引き継ぐ。

  40年代後期〜50年代、オリジナルスタイルのピックアップ(ミニハムバッカー)がマウントされました。

■1957年 ギブソン社に買収される。
  しかし、「Epiphone」ブランドは残され、ギブソン社のカラマズー工場で生産されました。
  ギブソン社の同じ技術、材料で作られたので品質は全く同じでしたが、ギブソン・ブランドのものよりも
  インレイなどの装飾がより凝ったものを生産しました。
  ギブソン社ES-335の対抗モデルとして「Riviera」、ES-355には「Sheraton」、ES-330には「Casino」、
  Les Paul Junior などには「Olympic」「Coronet」など、それぞれ対抗モデルをエピフォン・ブランドで発表。
  買収前の技術も引継ぎ、「ミニ・ハムバッカー・ピックアップ」がマウントされました。

■1959年 ギブソンがレスポールにダブルカッタウェイを導入した前後に、
  エピフォンでソリッドギター(コロネット/クレストウッド/ウィルシャー)を製作。
  続いて、リヴィエラ/シェラトン/カジノのシンライン・シリーズの登場。

  当時、活躍していたビートルズが、「Texan」や「Casino」を愛用したことで大変人気になりました。

■1970年 エピフォンは日本の工場で生産を始めました。
  低価格で、高品質!アメリカのブランドが日本の工場で作られるのは初めてのことでした。
  ボディ内にはギブソン社のカラマズー工場のまま引き継いだ同じ青いラベルが貼ってあり、
  USAメイドとJapanメイドの違いが分かりにくくなっています。
  シリアルナンバー(6桁8桁以外は日本製)やラベルのモデルナンバー、全体のスペックを見て判断します。

  この当時のエピフォンは同じ機種でも、この時期独特のスタイルを持っています。
  「リビエラ」の指板にあるインレイがES-345のようなダブルパラレログラムになっていたり、
  「カジノ」にもセンターブロックが入ったセミアコ構造になっているものがありました。
  ミニハムバッカーPUがマウントされていた機種も、ギブソン社製の普通サイズのハムバッカーになりました。

■1982年頃から韓国を中心としたアジア諸国の工場でも生産を始めました。
  ボディ内のラベルもオレンジ色になり、長い桁のシリアルナンバーに変わりました。

■1986年 ヘンリー・ジャスコヴィッツ氏とデイブ・ベリーマン氏がギブソン社を買収し、
  エピフォン・ブランドもギブソンと共に新しく生まれ変わりました。

■1995年 テネシー州ナッシュビルのギブソン工場の隣に、エピフォン・ブランドの事務所と倉庫が設立。


現在、「Epiphone」はギブソン社に買収される前からのモデルを引き継ぎ、
安い価格で出している「Epiphone」と、日本の技術で作っている「Epiphone Japan」に分けられています。
「Epiphone」ブランドは、現在も日本国内で生産されているものや、韓国を始めとするアジアで生産されているモデルがあります。


 
 −各モデルと生産年−

アーチトップ(フルアコ)   
Zepyer=Electric / Regent=Cutaway の意味を持つ
Emperor(対 Super400)・・・1936年〜現在
Zephyr Deluxe
(対 L-5)・・・1931年〜1970年
Zephyr Deluxe Regent ・・・1950年〜
Zephyr ・・・1939年〜1964年
Zephyr Regent ・・・1950年〜
現在
Century ・・・1939年〜1970年以降Japan Made
Tudor ・・・1931年〜1937年
Broadway
(対 ES-175D)・・・1931年(58年Gibson Made よりエレキ化)〜現在
Triumph
(対 L-7 / L-5) ・・・1931年〜1970年
Spartan ・・・1934年〜1950年
Blackstone ・・・1931年〜1950年
Devon ・・・1951年〜1956年
Royal ・・・1931年〜1935年
Zenith
(対 ES-125)・・・1931年〜1970年
Beverly ・・・1931年〜1937年
Olympic ・・・1931年〜1950年
Byron ・・・1938年のみ
Rits ・・・1941年〜1950年

アーチトップ(シンライン:薄型)Gibson Made
Sheraton(対 ES-355) ・・・1958年〜現在
Riviera
(対 ES-335) ・・・1962年〜現在
Casino
(対 ES-330) ・・・1961年〜現在
Professional ・・・1962年〜1967年
Caiola Cutom ・・・1963年〜1970年
Caiola Standard ・・・1963年〜1970年
Windsor ・・・1959年〜1962年
Sorrento
(対 ES-125T) ・・・1960年〜1999年
Granada
(対 ES-120T) ・・・1962年〜1970年

ソリッド Gibson Made
Crestwood ・・・1958年〜
Crestwood Custom ・・・1959年〜1970年
Crestwood Deluxe ・・・1963年〜1969年
Willshire ・・・1959年〜1970年
Coronet
(対 Les Paul Jr.) ・・・1958年〜1970年
Olympic ・・・1960年〜1970年
Olympic Spesial ・・・1962年〜1970年

フラットトップ(アコースティック)
FT120 Excellente ・・・1963年〜1970年
FT110 Frontier ・・・1942年〜1970年
FT79 Texan
(対 J-45) ・・・1942年〜1970年


いかがでしたか?
エピフォン社の歴史を紐解いてみると、よく知っているモデルから、めったにお目にかかれないモデルまで色々あります。
かつてギブソン社のライバルメーカーとして君臨していたエピフォンのギターは、
長い歴史をたどってみなさんの手元へやって来ました。
決して安物や中途半端なギターではありませんよ!

「ボクの愛用ギターは一応レスポールなんですけど・・・。
 2万円ぐらいで買った エピフォンっていう韓国製のバッタもんです・・・。」

なんて言っていてはいけません!「おっ!エピフォン!かっこいい〜っ!」 堂々とヘッドのロゴを見せびらかしましょう!
韓国製だからとか、USAメイドだからとか言ってる人は、エルメス、ビトンを追いかけてるブランドネェちゃんと同じですよ!
あ〜恥ずかし・・・!



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